遊川くんからの警報が鳴るギリギリなんじゃないかってくらいのスキンシップを何度も受けつつも。


 なんとか危なっかしい平日を乗り越えて、初めての休みの日の朝。


 昨日作ったカレーをせっせと口に運んでいると、


「りっちゃん、おかわりしていい? あと、今日デートしよ!」


 にこやかな不意打ちを食らった。


『どんどんおかわりして! また間違えていっぱい作っちゃった』


 なんて返す隙もなかった。浮かべようとした笑顔も途中で固まった。


「デート……」


 ぽつりと落ちた、私とは無縁すぎるワード。


 刺さる遊川くんの視線はあまりにもまっすぐで期待に満ちているから、私はつい視線を逸らしてしまう。


 あんまり気が進まない……。


 ここ数日、何度抱き着かれ、その度に引きはがしたことか……多すぎて覚えていない。


 そもそも、数えきれていない。