俊の赤ちゃんの頃の写真だった。カラー写真で、目のクルリとした男の子がお座りをしている写真だ。写真館で撮られたもののようだった。
「うちの息子、可愛いでしょ?」」

そんな風に私に言ってくるお義父さまは、私が大きく頷くと”くくっ”と喉で笑う。
「優人の赤ちゃんの頃にそっくりです」
「あははッそりゃ親子だからね。ああ、、そういえば俺と俊も親子だなぁ、、」

そんな呟きに今度は私がクスクスと肩を揺らした。そして次のページは、小さい俊を抱っこした俊の母親に見入ってしまった。
何とも可愛い少女のような女性が写っていたのだった。
そして、その横には俊と同じ顔をした若い男性が立っている。

それがご両親と俊だと一瞬でわかってしまう写真なのだ。
薫さんは優しく微笑むとお義父さまの顔をみた、するとお義父さまも薫さんに目を向けていた。思わず目が合って互いに慌てて目を逸らした。

”今の何?・・私を見てた?”

いやいや、自意識過剰すぎだわ。たぶん偶然だったのだと思い、何もなかったように次のページをめくる。
さっき俊の言った台詞が頭をよぎった

”思考が俊と一緒? まさかね、そんな”

それからの私の行動は、目はアルバムの写真を見てるのだけど、頭の中には何も入ってこない状態だった。色んな事を考えすぎて、お義父の顔だって見れない。とうとう、アルバムの最後のページになってしまった。