カラー写真でない白黒の写真が数枚貼ってある。とても若い俊の顔したお義父さまの姿があった。
横を見て女性が写っていたのは、若い頃のお義母さまでない事に気づく。
そのまま、ページをめくって終わるはずだったのに。

えッ?この女性? えッ?これって、、

若かりし頃の俊の顔したお義父さまだっていう事は、はっきりわかる。横に写る女性は、今まで見てきた俊のお義母さまではなかった。
明らかに違う女性に、その顔に、薫は声が出なかった。
その写真を目をこらしてジッと見てしまう。

お義父さまが、一向にページをめくらない私を不思議に思ったのか声をかけてきた。

「薫さん、どうしたかな? 何かな? ああ・・・」

お義父さまはそう言うと、私が見入っているその写真を見て目を細めると「懐かしいなぁ」と声を出した。

「ああ、その女性はウチのじゃないよ。あはッ、こんな所に貼ってあったんだ。この写真はね、、」お義父さまが言いかけて私がついに声に出した。

「この女性は私の母です」
「・・薫さん、・・・薫さんは美子さんの?」

驚いた表情で私を見るお義父さまに、ただ頷いた。