「突然のお誘いだったけど、おいしそうだね」

「本当、早く食べましょう！」

クラウディオとナタリアも目を輝かせ、どこかわくわくした様子でナイフとフォークを手にする。桜士の手にもしっかりとナイフとフォークがあった。

「いただきます」

そう言い、四人はそれぞれ頼んだパンケーキを口に入れる。

「これは……！」

桜士は口元を押さえた。濃厚な抹茶クリームがパンケーキにはたっぷり乗せられているが、全く甘ったるくない。一緒にパンケーキに乗せられている栗、クルミ、粒あんの食感が楽しめ、黒蜜をかけて食べている人もいた。

「おいしいですか？抹茶パンケーキ」

そう笑う一花が食べているミックスベリーパンケーキは、ストロベリーソースとベリーソースがかけられ、華やかな見た目をしている。桜士にはかなり甘ったるいパンケーキだろう。

「よかったら、一口いかがですか？」

桜士がそうニコリとしながら訊ねると、一花の顔が赤く染まる。そして彼女は「だ、大丈夫です！」と慌てたように断り、自分のパンケーキを食べ始めた。