千冬と想いが通じあって少しして、わたしの誕生日が今年もまた巡ってきた。


「千冬くん、六花のことよろしくね。門限はあるけど⋯⋯今日くらいなら少しは破ってもいいからね」


デートをしよう、と千冬が誘ってくれたおかげもあり、わたしは今日千冬とお出かけをする事になっていて。うちまで迎えに来てくれた千冬を見るや否や悪戯に笑いながらそんな事を口にしたお母さんに慌てるわたしと、曖昧に笑う千冬。



─────あれから、千冬はわたしの両親に会いに来てくれて、今までの事や自分自身が感じていた葛藤をわたしに話してくれた様にお父さんとお母さんにも伝えてくれた。

元々両親が千冬を責めている事は一切なかったけど、真剣に今までの事を話してくれた千冬を見て二人とも安心をしたらしい。

千冬ならわたしを支えてくれるって。

お父さんはその晩わたしに彼氏という存在が出来た事に枕を濡らしたらしいけれど、なんだかんだお父さんもお母さんもわたし達の事を見守ってくれている。


それは千冬のご両親もそうで。

ご挨拶と報告も兼ねて雪乃ちゃんと会う機会があったけれど、雪乃ちゃんはその時本当に嬉しそうにわたし達の事を喜んでくれた。