透明を編む 【完結】



六花の14回目の誕生日。


「ほら、プレゼント」

「わっ、ありがとう!⋯⋯開けてもいい?」

「ん」


毎年渡している誕生日プレゼントをこの年も渡した俺の前で嬉しそうに包装のリボンを解く六花を見ていた。

「何だろう?」と声を弾ませる六花に俺の選んだプレゼントを喜んでくれるだろうかと柄にもなく不安になって、だけどそんなの杞憂だとでも言う様に包装袋の中にある“それ”を目にした瞬間、六花は満面の笑みを見せてくれたんだ。


「マフラー!?可愛い!」


赤色をした包装袋から“それ”を取り出した六花は大切そうに両手でマフラーをひらく。


「真っ白!モコモコもついてて可愛い」

「気に入ってくれた?」

「もちろん。嬉しいよ、ありがとう千冬!」

「ならよかった」

「ずっと大切に使うね!」


そう言いながらさっそくマフラーを首に巻いた六花が「あったかい」と顔を埋めて、俺は心の底から喜んで受け取ってくれた六花に安心して。

六花をイメージして白を選んだんだ。

なんてさすがに伝える事は出来なかったけど、両端に丸いモコモコが付いているその真っ白なマフラーはとてもよく六花に似合っていた。

本当に、とても、似合っていた。