「（六花）」
そう考え込んだわたしの視界で手のひらをパタパタさせる優愛に顔を上げると、いつもの様に優しく微笑む優愛ちゃん。
「（きっと、六花の気持ちは伝わるよ）」
「⋯優愛」
「（だって二人はすっごく仲が良かったんだから。だからきっと大丈夫）」
そう言って力強く頷く優愛に、元気を貰う。
わたしの想いが、この恋が叶って欲しい気持ちはあるけど、でも、自分が健常者である千冬と恋人になる事は難しい事も、そもそも千冬がわたしを好きになってくれる確率も無いに等しい事だって充分分かっているから⋯。
だからせめて、友達として幼なじみとして昔のようにまた戻りたい。
また、千冬の笑顔を見たい─────。
「ありがとう、優愛」
「（どういたしまして）」
柔らかく微笑む優愛は名前の通り優しくて愛のある女の子だと改めて思う。
優愛と友達になれてよかった。
優愛がいてくれてよかった。
彼女に会う度にわたしは太陽のような優愛の笑顔に元気づけられるんだ。
