透明を編む 【完結】



それは夏休み直前の浮き足立っている時の事だった。

お昼休みにクラスの子に肩を叩かれて首を傾げれば、その子はドアの方を指さしなから自身のスマホに何かを打ち込んで⋯⋯、


<石川さんを呼んでるみたいだよ>


そう文字が打ち込まれた画面を見せてくれた。

わたしを呼んでる⋯?

クラスメイトの視線をなぞる様に教室の後ろのドアへと目を向ければそこには知らない三人の女の子が立っていて、わたしに何か用事があるのかな?と不思議に思いながらも教えてくれたクラスメイトの子にお礼を言って席を立つ。


「(あなたが石川六花さんですか?)」


女の子たちの元へ行けば、真ん中に立っていた派手目の可愛らしい子がそう口を動かして、それに頷く。制服のリボンの色からして一年生らしい。

頷いたわたしを確認してからその子は「() 話があるので着いて来ていただけます?)」と二人を連れて足早に歩き出すから、わたしは一体なんなんだろう?と不思議に思いながらも三人の後を慌てて追いかけた。