「よく眠れたかい?」
「あ、はい。あのー……つかぬことをお聞きしますが、私は昨夜どのようにこのベッドに……」
「ああ、ワインを二人で飲んでいたら君が眠そうにしていてね。そっと私が寝かせたんだ」
「はっ!!! 申し訳ございません!! 陛下の手をわずらせてしまい……っ!」

 シェリーの言葉を止めるようにジェラルドの人差し指が彼女の口元にあてられる。

「ダーメ。もう私のことは陛下と呼んでは。それにそんな恭しくしないでもっと気楽に接してほしい」
「わ、わかりました。ジェラルド様?」
「なんだい?」
「お腹が空きました」
「全く、君って子は素直で可愛いね」
「すみません……」

 二人はそろってベッドから出ると、着替えのために一度解散となった。



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