「あー、ひどい顔だわ」

 結局、泣き疲れて眠ってしまっていた。枕に顔を押し付けた状態で。

 メガネをかけずに洗面台の鏡に顔を近づけた。

 ひどい、なんてものではないのでしょうね。ぼーっとしか見えていない、だけど、鏡の中にいるわたしの顔は、魔獣レベルでひどいにきまっている。

 いいえ。いまのは、魔獣に対して失礼だったわね。
 どんな魔獣でも、プライドがあるでしょうから。