ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?

「陛下、わたしは大丈夫です」

 彼の気にあてられているのは、襲撃者たちだけでなくわたしも同様である。そう喉の奥から絞り出した声は、かすかにしか出なかった。

「待っていてくれ。きみに怖ろしい思いをさせた連中をことごとく始末するから」

 向き合う襲撃者たちに背を向け、彼はわたしの方を向いた。

 その瞬間、またしても稲光が走った。一瞬の光、そして影。