「『獅子帝』……」

 左頬に傷のある男も含め、襲撃者たちはジリジリと後退りしている。

 わたしもまた、見上げている彼の渋くて美しい顔が怖すぎて、というよりかは彼の怒りに溢れるオーラに恐怖心を抱いてしまっている。

 そういえば、わたしの背後にも廊下から入って来た男たちがいたはずなのに……。

 思い出しつつ、視線だけをさっと巡らせてみた。すると、目の端に床上で死んでいる、あるいは気絶している何名かが映った。