このままぶつかる勢いで突進し続けると見せかけ、通りかかった部屋に倒れこむようにして入った。人間って危急の際にとんでもない力を発揮すると、ラインハルトからきかされていた。それは、まさしくいまのわたしのことである。

 ディアナをひっぱったというよりかは投げ飛ばすようにして、その部屋の内にぶん投げた。

 そして、間髪入れずに扉を閉めた。