ディアナは、わたしの腕をひっぱりつつどんどん廊下の奥へと突き進んでいく。

 彼女、たしかここは「お仕置き屋敷」って言ったわよね。使用人を一人も置かず、彼女だけ閉じこめているのかしら。それだったら、ほんとうにお仕置き屋敷にふさわしいかもしれない。

 屋敷内に使用人などがいる気配はない。並んでいる部屋の扉は、どれも開けっ放しになっている。廊下もだけど、部屋の内もロウソク一本灯っていない。

 ディアナはここに何回も、いえ、何十回も閉じこめられているに違いない。だから、うす暗くてもなんの躊躇もなく廊下を歩けるのかもしれない。