「カルラさん、またゆっくりお茶でもしていただけますか?」
「そんな、妃殿下と? あ、いえ、もちろんです」
「よかったわ。グラーツ将軍、ミステリー小説がお好きでしたよね?」
「ミステリー小説? あ、いえ……」
「あそこで談笑しているリタとゾフィが談笑を終えたら、わたしにミステリー小説のことをきかれたと言ってみて下さい。きっと、最高のミステリー小説を勧めてくれますよ」
「ええっ? いったいどういう意味……」
「それでは、また。お待たせしました。参りましょう」

 なにがなにやらわからずパニックになっているグラーツとその妹のカルラを残し、大広間をあとにした。