情報量ですら、他国とは比較にならないほど少ないでしょうから。

「その噂というのは、おれもきいたことがある。まぁ度合いは多少違うかもしれないが、大筋はかわらないだろう。でっ、きみはその噂をきいてどう思っている?あるいは、その噂を信じているかい?」
「そうですね……」

 彼から視線をそらし、開けっ放しになっているガラス扉へそれを移した。

 テラスのテーブル上では、ロウソクがまだ灯っている。