ラインハルトの身支度を手伝わせてもらった。彼も、自分のことは自分でやる主義である。というよりかは、彼は根っからの軍人なので、身支度はもちろんのことなんでもこなせるのである。もっとも、他の上級将校のほとんどは貴族である。彼らは身の回りのことは自分でせず、従卒が世話をしているらしい。

 ラインハルトとジークとシュッツの三人は、皇宮にしろ軍にしろ出来るだけ身の回りの世話をしてほしくないのである。仲がうまくいっていないふりをしていること、スパイされることを懸念していること、これらの理由で出来るだけ周囲に他人を置きたくないのである。