「チカ?」

 ラインハルトの体がこちらを向いた。

 月光は、寝台のところまでは充分届かない。ガラス扉の所とくらべれば、薄暗がりになっている。しかし、軍人であり剣士であるラインハルトは夜目がきく。

 ラインハルトは、こちらに向き直った途端オロオロし始めた。