「陛下、お待ちください」
「陛下っ!」
「陛下っ!」

 リタとゾフィと三人で、ラインハルトをひきとめなければならなかった。

 ディアナが盗み聞きした内容を伝えた途端、彼は無表情のまま寝室を出て行こうとしたのだ。

 静かなる怒り、というのかしら。ぞっとするほどの殺気が、背筋に冷たいものを走らせた。