「はい、とても元気です。弟の一人が、近くの町で主催された絵画のコンクールで優勝したらしいのです」
「なんですって?」

 絵画ときいて壁の絵に視線を走らせた。

 ラインハルトの主寝室に飾られていた絵を、続きの間に移してもらったのである。

 黒馬が疾走している絵で、ここに来て一目で気に入ってしまった。もちろん、ラインハルトが描いた絵である。