わたしの乗馬の腕が上達したというよりかは、彼女がわたしをうまく乗せてくれるているというのが真実である。それなのに、わたしが勘違いしているというわけかしら。

 だけど、彼女との乗馬は楽しすぎる。野原や森を駆け抜けるあの爽快感は、表現のしようもない。

 これまでたらいまわしにされてきたどこの国でも、散歩すらままならなかった。ましてや乗馬など、小説やお話で読んでその光景を脳裏に思い描くくらいであった。それこそ、馬に触る機会すらなかった。