ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?

「おっ、そうか。そうなのか。おれのことを褒めてくれる? そうかそうか。ならば、それにふさわしい指揮を執るとしよう」

 ラインハルトはわたしの手から自分の(それ)をはなすなり、ギュギュギューッと抱きついてきた。

 いつもの愛情表現である。

 じつはわたしは、ギュギュギューと抱きしめられるのと頭を撫でられるのか大変気に入っている。

 いつものように、わたしも彼を抱きしめた。

 抱きしめ合いながら、リタとゾフィと視線を絡ませる。