ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?

 メガネの下に、全力で笑顔を咲かせた。

 この笑顔が素敵だと褒めてくれたのが、ラインハルトだった。

 そのときには名前も身分も偽っていて、わたしを憐れんでおべんちゃらを言ってくれたのだ。

 単純なわたしは、おだてられてその気になった。だから、つねに笑顔でいるようにしている。

 たとえ嘘や誇張であったとしても、笑顔でいることや笑うことは自分にとっても周囲の人たちにとってもいいことであることにはかわりはない。