じつは、今日から明日にかけて調練が行われる。

 帝都から半日ほど行軍したところに大きな軍事施設があり、そこで夜間にかけて調練が行われることになっている。

 当然、泊りがけになる。夜通し調練をするので、ラインハルトは帝都を離れなければならない。

 彼が出発する時間に、ジークとシュッツがテラス側からやって来た。

 その時点で、ラインハルトは行きたくないと駄々をこね始めていた。

「チカを置いていけるか。だから、おれは残る。ジーク、シュッツ、二人に全権を委ねる。適当にしごいてこい」
「ダメダメダメ」
「ダメダメダメ」

 ラインハルトの駄々っ子ぶりに、リタとゾフィはことごとくダメだしをする。