「ちょっとしたハプニングがありましたが、スイーツはまだ残っています。ディアナさん、ほんとうにお茶はもうよろしくて?」
「お茶をぶちまけられたくないからもう結構よ。このドレスや装飾品は高価だから、何かあって皇族に弁償してもらえなかったら大変なことになるわ。それにしても、妃殿下のドレスは地味ね。いかにも安っぽい感じがするわ。装飾品のひとつもつけていないなんて、陛下は妃殿下のことを蔑ろにされているのね。それはそうよね。亡国の王女様だったかしら? 結婚は、政治的な理由によるものなんですものね。ただの『お飾り妻』というだけの存在に、高価なものを贈っても仕方がないわ。人前に出してみっともない程度で充分というわけに違いないわね」