「ひ、妃殿下。も、申し訳ございません」

 あっと、侍女のことを忘れていたわ。

「いいのよ、いいのよ。気にしないで。それで、ケガは?」
「ありません。妃殿下のお蔭でございます」
「よかったわ。さっ、立ち上がることは出来る?」

 彼女を支えながら立ち上がった。どうやら、彼女はほんとうにケガはなかったみたい。