ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?

「ちょっと待ちなさい」

 ゾフィがそれを制止した。

「ディアナ、ここがどこだか知っているの?」

 ゾフィは、尋ねてから鼻を鳴らした。

「自覚していないようだから教えてあげる。ここは、皇宮よ。皇宮の庭園。ロイター公爵家の庭園ではないの」
「そして……」

 ゾフィのあとをリタが継ぐ。