もっとも、彼もわたしには興味はない。彼も、わたしを自分とはまったく縁のない世界の住人と思っているに違いない。

 ヨルクのようなキラキラ人種とは、この大陸が一瞬にして消滅してしまう可能性と同じ可能性で出会わなかったはずよ。それが、ラインハルトに嫁いできたからこそ出会ってしまった。

 正直なところ、出会いたくない人種なのだけれど。

 若く見える美貌にはりついている表情は、わたしには嘘だらけに感じられる。ついでにいうと、その一挙手一投足もすべて嘘。というよりかは、ムダにカッコをつけている。そして、演じている。
 なにより、彼はラインハルトを敵視し、バカにしている。それが一番嫌なのである。