「陛下、おかえりなさいませ」
「ヴォルフ、かわりはないか?」
「はい、陛下。万事つつがなく」
「きみは? きみももかわりはないか?」
「はい、陛下。わたくしめもかわりなく」

 ラインハルトは、その初老の紳士にうなずいた。