もう大分と遅い時刻だというのに、多くの使用人たちが出迎えてくれている。

 さすがは大国の皇宮だけのことはある。使用人たちの数も半端がない。

 馬車から降りたのは、宮殿の前。目の前に多くの人たちが居並んでいて、それだけで圧倒されてしまった。
 お辞儀をする人たちの向こうに、三十段ほどの階段がある。その奥に重厚な大扉が聳え立っているのが見える。

 執事らしき人が近づいてきて、うやうやしくお辞儀をした。