ラインハルトと向かい合わせで座っている。

 これだけ大きな馬車だから、馭者台にいる馭者に会話はきこえないかもしれない。馬車の音でかき消されてしまうでしょうから。

 だから、ラインハルトと和やかに会話を交わした。

 いろいろな景色が窓外を流れていく。

 大きな街に小さな町、それから村々。どこまでも続く草原があったり畑が広がっていたり、森があったり池や湖がある。

 そのどれもが美しく、静かで平和である。