翌日、三台の馬車に別れて乗車し、別荘を出発した。

 ラインハルトとわたし、ジークとリタ、シュッツとゾフィという組み合わせである。

 それぞれの愛馬は、親衛隊が連れて行ってくれるらしい。

 馬車はわたしたち、つまり皇帝の馬車が四頭立てで、皇子たちのそれは二頭立てである。どの馬車も皇族を示す二頭の獅子の紋が彫り込まれている。

 この国にやって来たときに乗せてもらった馬車よりも大きくて豪華である。