夫は「獅子帝」と異名を持つ大国の皇帝であり大将軍。義理の息子たちは大国の強軍の参謀と副将軍。その嫁たちは暗殺専門の諜報員。

 すごすぎる家族だわ。すごすぎてピンとこない。

 だけど、家族にかわりはない。

 無為で無感情で無知で、人生を諦観していた。終わりだと思っていた。

 これが、そんなわたしの溺愛人生の始まりだった。