「お預かりします」

 品のいい青年が、二つとも預かってくれた。

 差し伸べられたままのクラウスの手を取ると、彼はわたしを馬車へと導いた。

 あまりの待遇に、声をだすことが出来ない。

 お礼さえ言えず、豪華絢爛という表現がぴったりな馬車に乗りこんだ。