だまされたとかごまかされたなどとは思わない。クラウスという存在は、わたしにとってプラスにしか作用しなかったのだから。
 
 正直なところ、もしも最初から皇帝と言われれば、はたしてこのような気持ちになったかはわからない。

 クラウスという存在があったからこそ、こうして自分の気持ちを語ることが出来ている。

 そのようなことを、支離滅裂状態で語り終えた。

 皇帝だけでなく、ジークたちも辛抱強くきいてくれている。  

 と思いきや、皇帝とジークとシュッツの目尻に涙がたまっていることに気がついた。