それにしても、まるで小説みたいだわ。

 これはもう美貌の女性諜報員の活躍を描いている小説そのものよ。

 そういうシリーズ物が大好きだった。

 自分にはない外見や性格やスキルがあって、ハラハラどきどき、ときにはロマンチックなことがあったりスカッとするようなことがあって。

 自分ではとうてい経験出来ないことを、やすやすとやってのける。

 そういう小説を読むことで、自分もスッキリしていた。