これまでは、たいてい蔑まれたり虐げられてきた。それがほとんど。あとは、無視。わたしという存在そのものが、彼らにとってなかったという感じ。

 後者の方がラクだった。最初こそ、無視されることにいちいちショックを受けたり傷ついたけれど、それに慣れたらそっちの方がずっとよかった。

 とはいえ、蔑まれたり虐げられるのも、相手によって態度をかえてあしらえばラクなんだけれど。

 しかし、それを見誤ってしまうと面倒くさいことになるけれど。

 今回は、いっそのこと無視してくれるといいのだけれど。

 いずれにせよ、皇太子争いを繰り広げているという皇太子たちは、多少面倒くさいことになるかもしれない。