「あ、いえ。彼もよろこびますよ。あっ、そうそう。皇子たちのことも知りたいということですよね?」

 シュッツは、唐突に話題をかえた。

「ええ、そうですね。これまで何度か側妃として嫁いだり婚約者になったりということはあるのですが、じつは正妃として嫁ぐのは初めてなのです」

 皇子たちのことを知りたいのかという質問からずれてしまうけれども、彼らのことを知りたい経緯を説明したい。
 
 ジークとシュッツには、クラウス同様話しやすさがある。

 迷惑かもしれないが、話をきいてもらいたい。