「クラウス様に、いつも笑顔でいればいいと教えていただいたのです。これまで、いろいろあって笑うことを忘れていました。この国に来てクラウス様に出会い、彼が笑うことを思い出させてくれたのです」
「それでしたら、あなたは自分の笑顔に自信を持って大丈夫ですよ。彼がレディにそんなことを言うなんて、まず考えられませんから。それどころか、レディと会話することじたいめずらしい。彼は、よほどあなたのことを気に入ったに違いない」
「ジークの言う通りです。チカ、あなたは彼のことをどう思います?」

 シュッツに問われ、なぜかドキッとした。それから、やましい気持ちになった。