それからは、万事がその調子でした。

その後、私は少年院に収監されましたが、特にこの生活も苦になりません。

指を折った刑事さんからは、なぜか感謝の手紙が届きました。

良く分からないけれど、彼が喜んでくれたのなら、それで良いのです――。



私は、これからもこうして生きていくでしょう。

アミダさまの一件以来、私の中で何かが劇的に変わったことは確かです。

それが良いことなのか、悪いことなのかは分かりません。

ただ、一つ確かなことは、私は今の自分を、

苦しいとも、可哀想とも感じていないこと。


あのとき――。

アミダさまは、なぜ私だけを見逃したのでしょうか。

その真意はいまだに分かりません。ですが――、

それがアミダさまの意志ならば、それで良いのではないかと思っています。


ただ、私の親友、マーヤちゃんならば、

きっと、その論理的思考力を持って、こう結論したことでしょうね。



あのとき、私は既に、


サトリになっていたのだと――。



南無阿弥陀仏。