金の夫婦の卵になるには、いつだって偽りがあっちゃダメなんだ。
歓迎会の時や特訓の時みたいに、心から楽しんで、心から笑ってなきゃ意味がない。
だって七海夫婦が求めているのは──。
「キャッ!」
夢中で走っていたら、足を滑らせて転倒した。
あれ……? ここどこ……?
周りを見渡すも、遊具らしき物が見当たらない。
とりあえず、来た道を戻って……。
「いっ……!」
立ち上がろうとしたけれど、足首に痛みが走った。
そんな、嘘でしょ……。
地図もなければ、スマホはリュックの中。連絡することも動くこともできない。
じわっと涙が込み上げてきて、視界が滲んでいく。
誰か、助けて……っ。
「菜々夏……!」
心の中で願ったその時、後ろで紫月くんの声が聞こえた。
「ごめん……! 怖がってたのに、無理させた」
「ううん。私のほうこそ、勝手に逃げてごめんね……っ」
ぎゅっと抱きしめられて、涙が頬を伝う。
息切れしてる……捜し回ってくれてたんだ。
歓迎会の時や特訓の時みたいに、心から楽しんで、心から笑ってなきゃ意味がない。
だって七海夫婦が求めているのは──。
「キャッ!」
夢中で走っていたら、足を滑らせて転倒した。
あれ……? ここどこ……?
周りを見渡すも、遊具らしき物が見当たらない。
とりあえず、来た道を戻って……。
「いっ……!」
立ち上がろうとしたけれど、足首に痛みが走った。
そんな、嘘でしょ……。
地図もなければ、スマホはリュックの中。連絡することも動くこともできない。
じわっと涙が込み上げてきて、視界が滲んでいく。
誰か、助けて……っ。
「菜々夏……!」
心の中で願ったその時、後ろで紫月くんの声が聞こえた。
「ごめん……! 怖がってたのに、無理させた」
「ううん。私のほうこそ、勝手に逃げてごめんね……っ」
ぎゅっと抱きしめられて、涙が頬を伝う。
息切れしてる……捜し回ってくれてたんだ。



