「う……紫月くん、本ありがとう」
全身鏡の前で制服のネクタイを締めていると、吉良さ……菜々夏さんが本を渡してきた。
「遅くなってごめんね」
「ううん。俺のほうこそ、難しくなかった?」
「ちょっとだけ。でも、すごく勉強になったよ! 利益の出し方とか、表の作り方とか、あとは……」
一生懸命話す姿が可愛らしく思えて、笑みがこぼれそうになった。
高校生6日目。
昨日の鬼丸犬塚ペアとの食事会をきっかけに、俺達は下の名前で呼び合い始めた。
けど、まだ見ての通り少しぎこちない。
今まで女子を……というか、関わってきた人は全員名字で呼んでいたから慣れないんだよな。
でも、仮にもカップルなんだし、いつまでも名字呼びじゃ距離は縮まらない。
こればかりは時間をかけて慣れていくしかなさそうだ。
登校準備を終えて、彼女と一緒に学校へ向かう。
「今日の授業、何するんだろうね」
「1時間目は体育館で動画観るみたいだよ。メール見てない?」
「メール⁉」
全身鏡の前で制服のネクタイを締めていると、吉良さ……菜々夏さんが本を渡してきた。
「遅くなってごめんね」
「ううん。俺のほうこそ、難しくなかった?」
「ちょっとだけ。でも、すごく勉強になったよ! 利益の出し方とか、表の作り方とか、あとは……」
一生懸命話す姿が可愛らしく思えて、笑みがこぼれそうになった。
高校生6日目。
昨日の鬼丸犬塚ペアとの食事会をきっかけに、俺達は下の名前で呼び合い始めた。
けど、まだ見ての通り少しぎこちない。
今まで女子を……というか、関わってきた人は全員名字で呼んでいたから慣れないんだよな。
でも、仮にもカップルなんだし、いつまでも名字呼びじゃ距離は縮まらない。
こればかりは時間をかけて慣れていくしかなさそうだ。
登校準備を終えて、彼女と一緒に学校へ向かう。
「今日の授業、何するんだろうね」
「1時間目は体育館で動画観るみたいだよ。メール見てない?」
「メール⁉」



