「あ、そうだ。これ、ノアさんから預かってきた。ティナにって」
トールはそう言うと、魔石が付いたメダルのようなものを取り出した。
「え、ノアさんから? これは……魔道具?」
魔石の周りにはまるで細工のように綿密に刻まれた術式が刻まれている。おそらく、何かの魔道具だとティナは予想する。
「うん、そう。魔石に魔力を流したらノアさんの小屋に転移出来るんだって」
「えぇっ?! すごいっ! ノアさんってそんな魔道具も作れるの?!」
ティナはノアのことをすごい人だと思っていたが、彼はさらにすごかった。
この魔道具のおかげで、これからはいつでもノアの小屋に遊びにいけると思うと、とても嬉しくなる。
「……俺、ノアさんに時空間魔法を教えてもらおうかな」
ノアの魔道具に喜ぶティナを見たトールが、拗ねた口調で呟いた。
「え? トールが?」
「うん。そうすれば、俺もティナに転移の魔道具を作ってあげられるかなって」
何故かトールはノアにライバル心を持っているらしい。
ティナからすれば、ノアは優しいお爺ちゃん的存在で、家族のように想っているだけなのだが。



