最低でも小銀貨三枚するブレスレットを貰う訳にはいかないと、ティナが店主に申し出る。お金を受け取って貰えないのなら、何か店主の役に立つことをしたい、とティナは思ったのだ。
「そんなもん何もないよ……って言いたいところだけど……。そうさねぇ。じゃあ、お嬢ちゃんの話を聞かせておくれ」
「えっ! 私の話、ですか……?」
店主の希望をティナは意外に思う。店の掃除や荷物運びを頼まれると思っていたからだ。
「ああ。この店は客があまり来なくてね。退屈しているんだよ」
確かに、ティナたちがこの店に来て結構時間が経つが、お客さんが来る気配はない。
並んでいる魔道具を見る限り、随分腕が良い魔道具師なのに、とティナは不思議に思う。
「私の話なんかでよければ……」
ティナは聖女だった頃の話はせず、今は亡き両親の望みを叶えるために旅をしているのだと話した。
「ふんふん、なるほどねぇ。あんたも苦労しているんだねぇ。それでご両親の望みって何なんだい?」
「それが、月下草の群生地を見つけることなんですけど……。店主さんは場所をご存知ありませんか?」
「そんなもん何もないよ……って言いたいところだけど……。そうさねぇ。じゃあ、お嬢ちゃんの話を聞かせておくれ」
「えっ! 私の話、ですか……?」
店主の希望をティナは意外に思う。店の掃除や荷物運びを頼まれると思っていたからだ。
「ああ。この店は客があまり来なくてね。退屈しているんだよ」
確かに、ティナたちがこの店に来て結構時間が経つが、お客さんが来る気配はない。
並んでいる魔道具を見る限り、随分腕が良い魔道具師なのに、とティナは不思議に思う。
「私の話なんかでよければ……」
ティナは聖女だった頃の話はせず、今は亡き両親の望みを叶えるために旅をしているのだと話した。
「ふんふん、なるほどねぇ。あんたも苦労しているんだねぇ。それでご両親の望みって何なんだい?」
「それが、月下草の群生地を見つけることなんですけど……。店主さんは場所をご存知ありませんか?」