月下の聖女〜婚約破棄された元聖女、冒険者になって悠々自適に過ごす予定が、追いかけてきた同級生に何故か溺愛されています。

「ひゃひゃ、ずいぶん正直だねぇ。わたしがぼったくったらどうするんだい?」

「それは私の見る目がないだけですよね。提示された値段に納得したのなら文句は言えないと思いますし」

 店主はティナの言葉が面白かったようで再び笑い出した。

「うひゃひゃひゃひゃっ! 面白いお嬢ちゃんだねぇ! 気に入ったよ! お嬢ちゃんには特別に小銀貨三枚で売ってあげるよ」

「えっ!? 良いんですか?! 有難うございます!!」

 ティナは素直にお礼を言った。小銀貨三枚は決して安い金額ではないが、ティナはこのブレスレット兼首輪が十分金額に見合う価値があると思ったのだ。

 実際、ティナが提示された金額は材料費で、そこに付与する術式や魔法の加工代などの手間賃は含まれていない。魔道具に詳しい人間が見たら、破格の値段に驚くだろう。