月下の聖女〜婚約破棄された元聖女、冒険者になって悠々自適に過ごす予定が、追いかけてきた同級生に何故か溺愛されています。

(えーっと、ベルトルドさんへは何を書こうかな……。アレクシスのことと、アウルムのことに……あ、モルガンさんがよろしくって言ってたっけ)

 ティナは受付の人から貰った報告書に必要事項を記入した後、追加で近況を書いた。報告書なら手紙より早くベルトルドの元へ届くだろう。

 冒険者ギルドで用事を済ませたティナは、トールと一緒に街を散策しながら宿へと向かう。

「ちなー! とーりゅ!」

「わふぅ!」

「あら、おかえりなさい。早かったのね」

 宿に戻ると、アネタとアウルムがティナたちの帰りを待っていてくれた。初めはトールに人見知りしていたアネタも、今はすっかりトールに懐いている。

「お留守番有難うな。ほら、お土産」

 トールが露天で買ったお菓子をアネタに手渡した。袋から漂ってくる甘い香りに、アネタはきゃっきゃと大喜びだ。

「あら、トールくん有難う。ほら、アネタも」

「とーりゅ、ありあとー!」

「どういたしまして」

 トールがアネタの頭をよしよしと撫でている。