──それは、アレクシスが実はラーシャルード教教皇の息子であり、兄は若くして枢機卿で、実質アコンニエミ聖国を支配している、と言っても過言でない一族の出身だという事実で。
そしてティナを大聖女として聖国に迎え入れる為、王国の欲深い神官たちを影で煽り、フレードリクにティナを裏切るよう仕向け、王国に見切りをつけさせようと画策していたのである。
汚い手を使ってでも、アレクシスは自分だけの聖女として、ティナを手に入れたかったのだろう。その己の欲が聖国の思惑と一致したのも幸いだった。
聖国の協力のおかげで、アレクシスの望みまで後もう少し、というところまで来ていたのだ。
しかしその計画は、聖国の上層部の極一部の人間しか知らず、更に制約魔法で秘密が漏れないように対策している。
聖国の大神官でもないトールが知っていること自体、異常なことなのだ。
まるで恐ろしいモノを見るような目を、アレクシスに向けられたトールだったが、本人は全く意に介さずティナのもとへ踵を返す。
「お待たせティナ。モルガンさんたちの所へ戻ろうか」
「……うん、お疲れ様。私のために戦ってくれて有難う。トールが勝って本当に良かった」
ティナはトールに微笑みながらお礼を言うと、今度は心配そうにアレクシスを見る。
「ねぇ、トール。アレクシスはあのまま放って置いていいのかな……?」
余裕で勝てると思っていた相手に負け、あれだけ執着していたティナも諦めなければならず、更には王国のみならず聖国にまでティナのことを伝えなければならないのだ。その喪失感と労力は相当なものだろう。
そしてティナを大聖女として聖国に迎え入れる為、王国の欲深い神官たちを影で煽り、フレードリクにティナを裏切るよう仕向け、王国に見切りをつけさせようと画策していたのである。
汚い手を使ってでも、アレクシスは自分だけの聖女として、ティナを手に入れたかったのだろう。その己の欲が聖国の思惑と一致したのも幸いだった。
聖国の協力のおかげで、アレクシスの望みまで後もう少し、というところまで来ていたのだ。
しかしその計画は、聖国の上層部の極一部の人間しか知らず、更に制約魔法で秘密が漏れないように対策している。
聖国の大神官でもないトールが知っていること自体、異常なことなのだ。
まるで恐ろしいモノを見るような目を、アレクシスに向けられたトールだったが、本人は全く意に介さずティナのもとへ踵を返す。
「お待たせティナ。モルガンさんたちの所へ戻ろうか」
「……うん、お疲れ様。私のために戦ってくれて有難う。トールが勝って本当に良かった」
ティナはトールに微笑みながらお礼を言うと、今度は心配そうにアレクシスを見る。
「ねぇ、トール。アレクシスはあのまま放って置いていいのかな……?」
余裕で勝てると思っていた相手に負け、あれだけ執着していたティナも諦めなければならず、更には王国のみならず聖国にまでティナのことを伝えなければならないのだ。その喪失感と労力は相当なものだろう。



