聖なる祈り


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「本当に……?」

 彼女が嘘をつくとも思えなかったが、あまりにも現実離れしていて、僕は思わず目を見開いていた。

 果たして、不思議な体験をした星伽は、その後天使の羽を拾えたのだろうか。

 一年前にそうだと言っていた羽で願いを叶えられたのか……、さまざまな想いが交錯するが、僕は何も言えず、ただ彼女を見つめていた。

「信じるか信じないかは……叶多次第、だよ?」

 星伽は潤いのある唇を真横に引っ張り、どこかミステリアスな笑みを浮かべた。


【了】