「でもね、そんな瞬くんが、踊り始めると急に輝くの。笑ってないし真顔だけど。ふっと顔を上げてカメラを見た時の表情とか、切なくて胸がギュッとする。うつむき加減でステップを踏んでる時なんて、背中から哀愁漂っててキュンってなるし。きっとこれは、全国の女の子達も同じじゃないかな?私の友達にも、熱心な追っかけやってる子いるよ」

で、何が言いたいかと言うと!

と、明日香は身を乗り出して瞬の顔を見つめる。

「瞬くんは、ありのままでいいんだよ。瞬くんが抱えてる苦悩や今まで経験してきたこと、全てが今の瞬くんを作り上げてる。無駄なことなんて何もない。これからもね。全ての感情や経験が瞬くんの土台になって、それが他の誰にも真似出来ない瞬くんのポジションを確立してるの。そのままの瞬くんが唯一無二の存在なんだよ」

私も頑張らないとなー、たくさん経験して、おっきく成長するぞー!

天井に向かって右手を突き上げる明日香の肩を、思わず瞬が抱き寄せる。

瞬くん?と顔を向けた明日香に、瞬はそっと口付けた。