トップアイドルの恋〜好きになってもいいですか?〜【書籍化】

大丈夫かな?
と少し心配しながら、その女性とすれ違った時だった。

急に強いビル風が横から吹いてきて、明日香は思わず顔をそむけて立ち止まる。

次の瞬間、
「キャー!」
と悲鳴が聞こえたかと思うと、明日香のすぐ目の前に、ハンガーラックがすごい勢いで迫ってきた。

「わっ!」

明日香は慌てて両手でラックを止める。
なんとか倒さずに押さえることが出来た。

「ごめんなさーい!大丈夫?」

もう1台のラックを押しながら、先程の女性が駆け寄ってきた。

長い髪をふわりと巻き、ハイヒールにタイトなミニスカートを着こなした、スタイルの良い人だった。